Q1
近くの山の木で建てるということの意義は何ですか?
外国の木材で建てられた家とは、どこが違うのでしょうか?

A1-1.
外国から木材を運ぶということは、それだけ輸送に関わるエネルギーを浪費します

資料:「ウッドマイルズ研究ノート13(2005)」(ウッドマイルズ研究会)
上図は、40坪の木造戸建住宅の木材産地別ウッドマイレージCO2の比較です。簡単に言うと、木材の輸送過程における環境負荷を示します。すべて地域材を使用することで、ガソリン3133リットル削減できます。しかし、現状は、木材自給率は18%しかなく、大量の化石燃料を消費しています。

A1-2.
日本の林業は、今壊滅状態です。手入れされていない山が増え、森は荒れ果てています。計画的に木を使い、植林し、手入れをしていかなければいけません。




Q2.
暮らし環境設計で建てる、伝統構法の木の家とはどのようなものですか?
また、伝統構法の長所とは?

A2.
伝統構法とは、木材を継手や仕口で組みあげる構法です。ボルトなどの金物はあくまでも補助的な役割として使用します。
このような構法は、比較的柔構造となり、ねばり強いと言われています。未曾有の大地震の際に、突然ペチャンコに崩れる構造ではなく、、変形しながらも粘ることによって、人命は救われると考えています。
あと、大工さんで、伝統構法に携わっている人が、年々減ってきています。しかし、この技術は、世界に誇れる技であり、後世に伝えていく必要があると考えています。
      
 長ホゾ          腰掛鎌継ぎ       追掛大栓継ぎ



Q3.
暮らし環境設計の家の特徴は?

A3.「人にやさしく、地球にはもっとやさしく」をモットーに家づくりをします。
具体的には、

・伝統構法
・近くの山の木で建てる
・できるだけ天然乾燥材を使用する。
・室内は真壁とし、土壁・漆喰などの調湿性能のある自然素材を使用する。
熱・風・光・音など自然に調和した、その土地ならではの家。



Q4.
真壁にこだわる理由は?
また、漆喰が、ビニールクロスと違う点は?

A4.
真壁は、柱・梁がみえています。構造材が内側から見えるということが重要だと考えています。まず、シロアリや雨などによって構造材が腐朽してしまう場合に、真壁なら気がつきますが、大壁では、構造が壁の内部に隠れてしまっているので、気がつかない危険があります。あと、木材には優れた調湿性能が備わっています。3mの管柱で約3リットルもの水を吸うといいます。そのため、湿度の高い日には水分を吸収し、乾燥した日には、水分を放出します。ビニールクロスで覆われた大壁の家では、せっかく調湿性のある木なのに、内装材によって調湿効果が期待できません。
内部の仕上げに漆喰を使用するのも、調湿性を考えています。
このような家では、加湿器や除湿機は必要ありません。

Q5.
シミュレーションを使用することによる、施主のメリットは何ですか?

A5.
基本設計の段階で、シミュレーションをすることで、以下のような検討を行います。
「どのプランがより省エネか?」
「省エネに有効な窓の位置(高さ・大きさ)は?」
「樹木の位置による室内環境への影響は?」
「暖房設備、冷房設備は適切か:
などです。
「たぶん風とおしが良いだろう」
「たぶん日当たりも良いだろう」
といった、裏づけのない「だろう設計」は危険です。シミュレーションによる裏づけがあれば、安心です。また、竣工後に室内環境の確認という意味で、室内環境実測も適宜行っています。



Q6.
費用はどれくらいかかりますか?

A6.
費用は一概には答えられませんが、ハウスメーカーと変わらない程度で建てることができます。ただし、工期は着工から5,6ヶ月かかります。やはり職人さんの技の結集ですので、プラモデルのようにはいきません。
予算に応じて、エコな暮らしを提案します。まずはご相談ください。